在留審査が厳格化、税や保険の滞納は要注意
2025年6月、政府は在留資格に関する審査方針を見直し、税金や社会保険料を滞納している外国人に対して、在留資格の更新や変更がより厳しくなる制度を導入しました。今後は、納税状況や保険への加入履歴が在留審査で重要な判断材料となります。これまでは多少の未納があっても問題視されないケースもありましたが、今後は小さな滞納でも不利な扱いを受ける可能性が高まります。背景にあるのは、公平性と制度の持続性への配慮です。日本に住む以上は、外国人であっても社会保障制度の一員として税や保険料をきちんと納めることが求められています。義務を果たさないままの在留は、これからはより認められにくくなると考えておくべきです。
書類の提出が必要に。世帯全体が審査対象になることも
新たな制度の運用により、在留資格の更新や変更の際には、納税証明書や保険加入の有無を確認できる書類の提出を求められるケースが増えています。これは本人だけでなく、扶養されている立場であっても世帯主が未加入や滞納している場合、在留審査に影響が出る可能性があるという意味です。つまり、審査は個人単位だけでなく、家族単位で確認されることがあるのです。特に注意が必要なのは、更新や変更の機会が多い在留資格、たとえば技術・人文知識・国際業務（技人国）、特定技能、技能実習、家族滞在などです。こうした資格では、企業や受入機関側のミス、たとえば社会保険の加入手続き漏れが原因であっても、外国人本人の在留資格に影響するケースが出てくるため、本人だけでなく雇用側も制度をしっかり理解し、管理する必要があります。
制度はさらに強化へ。医療費未納も審査対象に？
この新たな方針は一度きりの措置ではなく、今後さらに強化・拡大される予定です。政府の見通しでは、2027年以降には医療費の自己負担分を滞納している場合も、在留審査に影響が及ぶ可能性があるとされています。つまり、日常生活における義務の履行、たとえば医療費の支払いや年金保険料の納付など、生活全般にわたる「責任ある行動」が、在留継続の前提になるという認識が強まっています。永住権の取得や長期滞在を目指している方にとって、こうした実績の積み重ねは大きな意味を持ちます。逆に言えば、小さな滞納や手続きの遅れが、ビザ更新時の思わぬ足かせになる時代が来ているのです。
今できる備えとは？まず確認・相談・準備を
まずは自分自身の税金や社会保険料の納付状況を確認しましょう。役所や年金事務所で、納付履歴を調べることができます。もし滞納がある場合には、早めに相談し、分割納付や猶予制度を活用することが重要です。また、書類の準備にも時間がかかるため、ビザ更新や変更の手続きは余裕をもって進めましょう。制度の変更は急に行われることが多く、直前になって慌てるのでは間に合わないこともあります。特に扶養されている人や家族がいる場合は、世帯全体での確認が欠かせません。不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談するのも有効です。制度の解釈や書類の準備について正しいアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぎ、安心して在留資格の維持ができるようになります。
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