離婚届の証人欄には、証人の氏名・生年月日・住所・本籍を、証人本人が記入します。書く項目は4つだけですが、本籍を記憶で書いてしまう、住民票と違う住所を書いてしまう、といった理由で受理まで時間がかかる例が少なくありません。
この記事では、協議離婚の離婚届について、証人欄の各項目の書き方、書き間違えたときの直し方、外国籍の方や遠方の方に証人を頼む場合の注意点を順に説明します。
この記事の結論
・証人欄は「氏名・生年月日・住所・本籍」の4項目。押印は任意です。
・本籍は住所とは別のもの。戸籍(または本籍記載の住民票)で確認してから書きます。
・住所は今住んでいる場所ではなく、住民登録上の住所を書きます。
・証人欄は証人本人が署名します。夫婦が代わりに書くことはできません。
・書き間違いは修正液・修正テープを使わず、提出先の市区町村に訂正方法を確認します。
① 離婚届の証人欄に書く4つの項目
協議離婚の届出には、成年の証人2名の署名が必要です(民法第764条・第739条)。証人欄は届出書の右側に2名分あり、それぞれ次の項目を記入します。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 氏名(署名) | 証人本人が自分で書きます。戸籍上の氏名で書き、通称や旧姓は使いません。 |
| 生年月日 | 元号(昭和・平成など)で記入します。西暦しか分からない場合は元号に直しておきます。 |
| 住所 | 住民登録上の住所を、番地・マンション名・部屋番号まで正確に書きます。 |
| 本籍 | 戸籍に記載されている本籍地を書きます。筆頭者の氏名を書く欄もあります。 |
押印欄は残っていますが、2021年9月以降、届出人・証人ともに押印は任意になりました。押す場合は認印で足ります。
証人欄の位置
離婚届の用紙は全国共通の様式で、証人欄は右側にあります。左側の届出人(夫・妻)の欄と書式が似ているため、証人が誤って届出人欄に書かないよう、記入前にどの欄かを伝えておくとスムーズです。
② 本籍は記憶で書かず、戸籍で確認する
本籍は住所とは別のものです。実家の住所や、生まれた場所と同じとは限りません。結婚や転籍で本籍が変わっている方も多く、記憶だけで書くと違っていることがあります。
本籍の確認方法は、次のいずれかです。
・戸籍謄本(全部事項証明書)を見る
・「本籍地の記載あり」で取得した住民票を見る
・マイナンバーカードの券面には本籍は載っていないため、マイナポータルやコンビニ交付で住民票(本籍記載あり)を取る
・運転免許証のICチップには本籍が記録されているため、免許センター等の読み取り機で確認する
本籍欄には「筆頭者の氏名」も記入します。筆頭者は戸籍の最初に記載されている人で、結婚している方であれば通常は夫婦のどちらか、独身の方であれば親であることが多いです。これも戸籍で確認できます。
本籍や住所は記憶に頼らず、住民票や戸籍の記載を確認してから証人欄に書き込みます
住所は「今住んでいる場所」ではなく住民登録上の住所
住所欄も同じ考え方です。単身赴任先や同居先に住んでいても、住民票を移していなければ、住民登録上の住所を書きます。番地の表記(「1-2-3」ではなく「1丁目2番3号」)やマンション名の省略も、届出先によっては確認を求められることがあるため、住民票の記載どおりに書くのが確実です。
③ 証人欄は証人本人が署名する
証人欄は、証人本人が自分の手で署名する必要があります。夫婦が証人の名前を代筆することはできません。生年月日・住所・本籍についても、証人本人が記入するのが原則です。
そのため、証人欄の記入は次の流れで進めることになります。
気をつけたいのは、証人欄の訂正や追記も、証人本人の対応が必要になる場合があることです。窓口で「証人の本籍の番地が違う」と分かっても、その場で夫婦が書き直すことはできません。証人と再度連絡を取り、書き直してもらうか、訂正してもらうことになります。
提出直前になって不備が見つかると、そこから証人と日程を合わせる手間が発生します。証人に記入してもらったら、提出前に4項目すべてを一度確認しておくことをおすすめします。
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とりあえずLINEで相談する④ 証人欄を書き間違えたときの直し方
住所・本籍・生年月日などを書き間違えた場合、修正液や修正テープで消してはいけません。消した跡のある届出は、内容が改ざんされていないことを確認できないため、受理されないことがあります。
一般的な訂正方法は、間違えた箇所に二重線を引き、その近くに正しい内容を書く方法です。押印が任意になったことに伴い、訂正印も必須ではなくなっています。
訂正方法は提出先に確認を
離婚届の訂正の取り扱いは、提出先の市区町村によって細かい運用が異なることがあります。二重線で足りるのか、欄外に訂正内容を書くのか、証人本人の訂正が必要かどうかなど、迷ったら提出先の戸籍担当窓口に電話で確認してから直すほうが確実です。
書き間違いに気づいたら修正液は使わず、提出先の市区町村に訂正方法を確認してから直します
書き間違いが多い場合は書き直しも選択肢
訂正箇所が複数ある、訂正で読みにくくなった、という場合は、新しい用紙に書き直すほうが受理はスムーズです。離婚届の用紙は全国どの市区町村の窓口でも無料でもらえます。ただし、書き直すと証人にも再度署名してもらう必要があります。
⑤ 外国籍の方が証人になる場合
外国籍の方も、成年であれば離婚届の証人になることができます。ただし、日本人の証人と記入方法が異なる点があります。
| 項目 | 外国籍の証人の書き方 |
|---|---|
| 本籍欄 | 本籍がないため、国籍(国名)を記入します。筆頭者欄は空欄です。 |
| 氏名 | 在留カードやパスポートの表記に合わせます。カタカナ表記の可否や、氏と名の区別の書き方は届出先で確認します。 |
| 生年月日 | 西暦で記入して差し支えないとする自治体が多いですが、届出先の運用によります。 |
| 住所 | 日本に住民登録がある場合は、住民票上の住所を書きます。 |
成年かどうかの判断基準(日本法か本国法か)や、署名の言語(母国語の署名でよいか)については、市区町村によって確認内容が異なります。「外国人でも18歳以上なら必ず問題ない」と決めてかからず、提出前に届出先へ確認しておくと安心です。
⑥ 遠方の人に証人を頼むときは郵送でやり取りする
証人は夫婦と同じ市区町村に住んでいる必要はありません。遠方の親族や友人に頼む場合は、離婚届の原本を郵送し、記入して返送してもらいます。
ただし、郵送でのやり取りには時間がかかります。
・往復の郵送日数(通常でも数日、離島や海外はさらにかかります)
・本籍の番地が違っていた、筆頭者が空欄だった、といった記入漏れ
・不備があったときの再郵送
・相手の都合で返送が遅れる
「離婚届を出す日を決めているのに、証人の返送を待っている状態が続く」という状況は、実際によく起きます。証人に記入をお願いするときは、この記事の①〜③をあらかじめ伝えておくと、やり直しが減ります。
証人欄で困ったら、証人だけ行政書士に頼むこともできます
離婚届の記入自体はご自身でできます。その中で、証人の手配だけが進まない、証人を1人だけ頼みたい、親や友人に頼みたくない、という方のために、フジ行政書士事務所では離婚届の証人をお引き受けしています。
証人1名
6,600円
税込・返送料込み
証人2名
11,000円
税込・返送料込み
ご依頼の流れ
事務所は大阪府箕面市にありますが、やり取りはLINEと郵送で完結するため、全国からご依頼いただいています。証人欄の記入に必要な範囲でのみ確認を行い、離婚の理由や事情を詳しくお聞きすることはありません。
証人欄の記入方法についてのご質問だけでも構いません。まずLINEでお送りください。
離婚届の証人欄についてよくある質問
Q. 証人欄の本籍が分からないまま提出できますか?
いいえ、本籍は記入が必要です。空欄や不正確な記載があると、その場で受理されないか、後日補正を求められます。証人本人に戸籍謄本か本籍記載の住民票で確認してもらってから記入します。
Q. 証人の住所は、今住んでいる場所を書けばよいですか?
いいえ、住民登録上の住所を書きます。実際の居住地と住民票の住所が違う場合は、住民票の住所を記入します。
Q. 証人欄に押印は必要ですか?
いいえ、2021年9月以降、証人の押印は任意です。押す場合は認印で構いません。
Q. 証人欄を夫や妻が代筆してもよいですか?
いいえ、証人欄は証人本人が署名します。届出人が証人の氏名を書くことはできません。
Q. 証人欄の生年月日を書き間違えました。どう直せばよいですか?
修正液・修正テープは使いません。一般的には二重線で消して正しい内容を書きますが、証人本人による訂正が必要とされる場合もあるため、提出先の市区町村の戸籍窓口に訂正方法を確認してから直すのが確実です。
Q. 外国籍の友人に証人を頼めますか?
はい、成年であれば証人になれます。本籍欄には国籍を記入するなど、日本人と記入方法が異なる点があります。氏名の表記や成年要件の確認方法は市区町村によって異なるため、提出先への事前確認をおすすめします。
Q. 証人は同じ市区町村に住んでいる必要がありますか?
いいえ、証人の住所地に制限はありません。遠方の方に郵送で記入してもらうこともできます。郵送に時間がかかる点と、記入漏れがあると再郵送になる点には注意が必要です。
まとめ|証人欄は「本籍の確認」と「本人の署名」がポイント
離婚届の証人欄は、氏名・生年月日・住所・本籍の4項目を、証人本人が記入します。本籍は住所とは別のものなので記憶で書かない、住所は住民票のとおりに書く、書き間違えたら修正液を使わず提出先に訂正方法を確認する。この3点を押さえておけば、証人欄で受理が止まることはほとんどありません。
離婚届の記入はご自身で進め、証人の手配だけ、あるいは1名分だけを当事務所にご依頼いただくこともできます。証人欄の書き方についてのご質問だけでも、LINEでお送りください。
※本記事は協議離婚の届出を前提にした一般的な説明です。届出書の訂正方法や外国籍の証人に関する取り扱いは市区町村によって異なる場合があるため、提出先の戸籍担当窓口でご確認ください。
