外免切替が厳しくなる!2025年10月制度改正のポイントと背景を解説

外国免許切替が変わる!2025年10月から何がどう厳しくなるのか?

2025年10月、日本での外国免許切替制度が大きく変わります。これまで比較的容易だった外国運転免許の日本免許への切り替えが、今後は「知識・技能・居住実態」の3つの面で厳格化されることになります。この制度変更により、誰が影響を受け、どんな準備が必要なのか、最新情報をもとにわかりやすく解説します。

外免切替とは?―これまでの制度とその課題

日本では、一定の条件を満たす外国人が、自国の有効な運転免許証を日本の運転免許証へと切り替える「外国免許切替(通称:外免切替)」という制度があります。これは、国際的な運転免許制度に基づくもので、外務省が相互認証している国に対して実施されています。

これまでの外免切替では、以下のような特徴がありました:

  • 対象国での運転経験が確認できること(滞在実績など)
  • 学科試験は10問のみ、イラスト付きで70%以上正解で合格
  • 技能試験は簡易的で、実質形だけというケースも
  • 居住実態は「ホテル滞在」や「知人宅住所」でも申請可能

このように、比較的柔軟な運用がなされてきました。しかし、年々申請者が増える中で、制度運用に限界が見え始めていました。年間約6万~7万人が外免切替で日本の免許を取得しており、中には日本の交通ルールを十分理解していないまま運転を始める例もあり、制度の見直しが求められていたのです。

なぜそれほど厳格化するのか?背景にある社会問題と国際的な視点

今回の制度改正には、単なる運用見直しでは済まされないほどの深刻な課題が背景にあります。もっとも大きな理由は、外免切替を経て日本の免許を取得したドライバーによる重大事故が相次いだことです。2024年から2025年にかけて、全国各地で小学生が巻き込まれる事故、高速道路での逆走事故などが発生し、その運転者がいずれも切替免許保有者だった事例が報道されました。

こうした事件は、「切替制度が甘すぎるのではないか」という世論の不安を一気に高めました。警察庁は、2025年7月に制度見直しの方針を正式に発表し、同時に切替免許取得者による事故の統計を公開。その中では、年間約7,000件近い交通事故が外免切替者に関係していたことが明らかにされました。

さらに問題視されたのが、「日本での生活実態がないまま免許だけ取得する」いわゆる短期滞在者による申請です。観光ビザでの来日中に切替申請し、免許取得後はすぐに帰国する、あるいは日本でレンタカーを利用するというケースが急増。とくに観光地では事故やトラブルが後を絶たず、地方自治体からは強い制度見直しの要望が出されていました。

もう一つの背景は、国際的な制度との整合性です。たとえばイギリス、フランス、韓国、中国などでは、外国人が現地の免許に切り替えるには、通常3ヶ月以上の現地滞在証明や住民登録が必要で、日本のように短期滞在中に簡単に取得できる国は少数派でした。今回の制度改正は、こうした国際水準に制度を近づけるという意味でも正当性があるとされています。

つまり、今回の「厳格化」は単なる行政手続きの厳しさではなく、「事故を未然に防ぐため」「日本社会全体の安全を守るため」「国際的な信頼を確保するため」の三位一体の目的があるのです。

変更点まとめ:2025年10月からこう変わる

では、具体的にどのような点が「厳格化」されるのでしょうか。以下、3つの柱に分けて整理します。

1. 住所要件の厳格化
これまではホテル滞在や一時的な住所(知人宅など)でも申請が可能でしたが、今後は原則として「住民票のある住所」が求められます。つまり、短期滞在者(観光ビザなど)による切替は不可となります。これは、「日本での生活実態がある人」に限定するという意図によるものです。例外として外交官などは認められる場合がありますが、基本的には中長期在留者のみが対象になります。

2. 知識試験(学科試験)の難易度が大幅アップ
これまではイラスト付きの簡易問題10問、正解率70%で合格でしたが、今後は以下のように変更されます。

  • 出題数:50問(すべて文章問題)
  • 合格基準:90%以上(45問以上正解)
  • イラストなし、設問の言い回しも複雑化

つまり、暗記だけではなく、より深い理解と正確な読解力が求められる試験内容となります。

3. 技能試験(実技テスト)も本格的に
従来の技能試験では、比較的審査が緩く、最低限の操作ができれば合格できることもありました。しかし、今後は下記のような実践的な運転技術が求められます。

  • 踏切での一時停止
  • 横断歩道の歩行者優先
  • ウインカーの出し忘れ、進路変更時の確認不足
  • 停止線の越えや安全確認不備

新たな減点項目が追加され、いわゆる「日本式の安全運転マナー」が試される内容になります。

切替予定者はどう備える?これからの注意点と対策

今回の制度変更は、「外免切替をしようとしているすべての人」に大きな影響を与えます。特に観光目的での短期滞在中に切り替えを考えていた人は、原則的に申請ができなくなるため、早めの情報収集が必要です。

また、すでに中長期で在留している人であっても、知識試験と技能試験が大幅に難化することを踏まえて、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。おすすめの対策としては以下のようなものが挙げられます。

  • 日本の交通ルールを解説した学習サイトやアプリで予習する
  • 自動車学校の外国人向け講習に参加する(有料でも効果的)
  • 技能試験の模擬コースを体験できる施設で練習する
  • 実際に免許切替を経験した人から情報を聞く

特に「50問90%」という学科試験の条件は、多くの人にとって厳しいハードルとなる可能性があります。出題形式や頻出テーマを分析した参考書などを使って、体系的な学習をしておくと安心です。

技能試験についても、ただ運転できるだけではなく、日本のマナーや安全確認の手順を意識した運転を体に染み込ませておく必要があります。

制度がどれだけ変わっても、根底にあるのは「命を守るための運転ルール」です。日本は世界でも特に交通ルールに厳しい国の一つであり、歩行者や自転車への配慮が求められます。今回の外免切替制度の改正は、単に外国人に対して厳しくなるというだけでなく、「誰が運転しても日本の道路が安全であるように」という社会全体の意思が反映された結果です。これから外免切替を考えている人は、制度変更を「チャンス」と捉え、日本での生活や交通社会への適応を前向きに進めていくことが大切です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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