行政書士に監理人を頼める?選定の仕組み・相談前に確認したいこと

ご家族や知人が入管に収容され、「監理措置を申請したいけれど、監理人を引き受けてくれる人がいない」というご相談をいただくことがあります。親族が海外にいる、日本に頼れる知人がいない、身近な人に事情を話しにくいなど、事情はさまざまです。

そうしたときに、「監理人を行政書士に頼めないだろうか」とお考えになる方がいらっしゃいます。このページでは、監理人という立場がどのようなものか、行政書士に依頼できる可能性はあるのか、そして依頼を検討する前に確認しておきたい点を整理してご説明します。

この記事の結論

監理人を行政書士に依頼できる場合はあります。ただし、依頼すれば必ず引き受けられるわけではなく、本人の状況によって受任の可否は変わります。

正式な監理人を選ぶのは、入管の主任審査官です。行政書士が承諾しても、それだけで監理人が決まるわけではありません。

監理人は、借金を肩代わりする保証人ではありません。役割は、本人との連絡、生活状況の把握、所定の場合の入管への報告です。

監理措置と監理人の基本

監理措置とは、収容せずに社会内での生活を認める制度です。その際に本人を見守る立場が「監理人」です。

監理措置とは、退去強制手続の対象となっている方について、入管施設に収容せず、監理人による監理のもとで社会内での生活を認める制度です。収容が長期化する事態を避けるために設けられた仕組みで、収容に代わる措置として位置づけられています。

この制度では、本人を見守り、必要な支援や連絡を行う立場の人が必要になります。それが監理人です。監理人は、本人の生活状況を把握し、所定の場合には入管へ届出や報告を行うという役割を担います。

親族 配偶者、親、子など、日本国内で生活を共にできる立場の方
知人・勤務先の関係者 日本国内で長く付き合いがあり、継続的に連絡が取れる方
支援団体の関係者 外国人支援に継続的に関わっている方
専門職 弁護士、行政書士など、手続の内容を理解している立場の方

ただし、これらに当てはまる人であれば当然に監理人になれるというものではありません。監理人となることを承諾していること、そして実際に監理を行える状況にあることが前提となります。

監理人を行政書士に頼めるのでしょうか

引き受ける可能性はあります。ただし一律・自動的に受任できるわけではなく、事情を伺ったうえで個別に判断します。

制度上、監理人を親族や知人に限定する定めはなく、専門職が監理人となることも想定されています。実際に、身近に頼れる方がいないという事情でご相談をいただくケースがあります。

もっとも、依頼すれば必ず監理人になれる、というものではありません。行政書士側で受任できるかどうかは、本人の状況や住居の見通し、連絡の取りやすさなどを個別に確認したうえで判断することになります。ご相談の内容によっては、お引き受けできないという結論になる場合もあります。

よくいただくご相談 「夫が収容されました。私は在留資格がなく、監理人になれるか分かりません。」 「親族はみな母国にいます。日本には勤務先の人しかいません。」 「知人に頼みましたが、責任が重そうだと断られました。」

いずれの場合も、まずは「誰が監理人となり得るか」と「収容が解かれた後にどこで生活するか」を整理するところから始まります。この2点が固まらないまま申請しても、判断は厳しくなります。

正式な監理人を選ぶのは入管の主任審査官です

監理人は、本人や関係者が決めるものではありません。選定するのは出入国在留管理庁の主任審査官です。

手続としては、監理人となることを承諾した人が候補として示され、その人が監理人として適当かどうかを入管が審査します。したがって、行政書士が承諾書を提出した場合でも、選定されるとは限りません。

あわせて、監理措置そのものを認めるかどうかの判断も入管が行います。逃亡のおそれの程度、これまでの経緯、住居の安定性などが総合的に考慮されるため、「行政書士に依頼したから監理措置を受けられる」という関係にはありません。この点は、ご相談の最初にお伝えしている内容です。

監理人について行政書士に相談する男性のイラスト

まずは現在の状況を整理することが、手続の出発点になります。

監理人は借金を肩代わりする保証人ではありません

監理人と身元保証人は別のものです。監理人に、本人の債務を代わりに負担する義務は課されません。

「監理人になると金銭的な責任を負うのではないか」と心配されるご家族もいらっしゃいますが、監理人は、本人の借金や医療費、生活費を肩代わりする立場ではありません。連帯保証人のように、本人が支払えなかった債務を代わりに負担する義務が課されるものではないためです。

比較する点監理人身元保証人(一般的なイメージ)
主な立場本人の社会内での生活を見守り、入管との連絡を担う本人が果たせない金銭的な義務を代わりに負う
金銭的な負担債務を肩代わりする義務はない債務の弁済を求められることがある
求められること連絡、生活状況の把握、所定の場合の報告支払能力、資力の証明
選ぶ人入管の主任審査官が選定する当事者間で決める

一方で、監理人には次のような役割があります。

監理人に求められる主な役割 ・本人の生活状況を把握し、必要な範囲で支援を行うこと
・本人と継続的に連絡を取り、状況の変化を確認すること
・入管から求められた場合に、所定の事項を報告すること
・本人が届出義務を果たせるよう、必要に応じて助言すること

つまり、金銭的な保証ではなく、本人の社会内での生活を支え、入管との間の連絡の橋渡しを担う立場と理解していただくのが実態に近い形です。所定の届出を怠った場合には制度上の不利益が生じ得るため、形式的に引き受けられる役割ではない点にはご注意ください。

行政書士が受任できるかを判断する際の確認事項

「連絡」「住居」「本人の意思」「監理できる体制」の4点を確認したうえで、受任の可否を判断します。

1本人と継続して連絡を取れるか
監理人の役割の中心は、継続的な連絡と状況の把握にあります。連絡が途切れる見込みが強い場合、責務を果たせません。

2住居・生活の見通しがあるか
収容が解かれた後にどこで生活するのかが定まっていないと、監理措置そのものの前提が整いません。

3本人が条件を理解し、守る意思があるか
監理措置には遵守すべき条件が付されます。内容を理解し、守る意思があることが不可欠です。

4実際に監理できる体制があるか
距離、連絡手段、面会や訪問の可否など、現実に監理を行える状況かどうかを確認します。
お引き受けできない場合 ・名義だけを貸してほしい、書類上の監理人になってほしいというご依頼
・事実と異なる説明や、実態のない住居・就労を前提としたご依頼
・本人と連絡が取れる見込みがまったく立たないご依頼

監理人は実際に監理を行う立場であり、形式を整えるだけでは制度の趣旨に反します。上記のようなご相談には対応いたしかねます。

相談から手続きまでの流れ

ご相談から監理措置後の対応まで、おおむね6つの段階に整理できます。

行政書士へ相談してから、監理人の選定、監理措置後の対応までの一般的な流れは次のとおりです。

監理人に関する手続きの流れ

STEP 1ご相談・状況の聞き取り収容状況、これまでの経緯、家族や支援者の状況を伺います。

STEP 2監理人の候補と体制の確認親族・知人に候補がいないか、行政書士が受任できる事案かを検討します。

STEP 3住居・生活の見通しの整理収容が解かれた後の住まい、生計、連絡手段を具体的に確認します。

STEP 4必要書類の作成・準備監理措置の申請書類、監理人となることの承諾に関する書類を整えます。

STEP 5入管への申請・審査主任審査官が監理措置の可否を判断し、監理人を選定します。

STEP 6監理措置後の対応条件の確認、届出、生活状況の把握を継続して行います。

※ STEP 5 で監理措置が認められない場合や、他の方が監理人に選定される場合もあります。

ただし、実際の進め方や必要な資料は、本人の収容状況、住居の見通し、家族や支援者の状況によって異なります。まずは現在の事情を整理することが大切です。

監理措置後の対応

監理措置が認められて終わりではありません。住居・連絡体制・生活の見通しを保つことが、その後の土台になります。

監理措置には遵守すべき条件が付され、住居や連絡先に変更があった場合の対応など、継続的に必要となる手続があります。条件を守れない状態が続くと、措置そのものが見直される可能性もあります。

そのため、住む場所が定まっていること、連絡が取れる体制が保たれていること、当面の生活の見通しが立っていることが、監理措置を継続していくうえでの土台になります。地域の中で落ち着いて生活できる状態をつくることが、結果として本人にとっても、支える側にとっても負担の少ない形につながります。

住宅地の道を歩く男性の風景

住まいと連絡体制が整っていることが、監理措置後の生活を支えます。

初回相談で整理しておくとよい情報

すべてが揃っていなくても構いません。分かる範囲で整理いただければ、進め方を具体的にご案内できます。

ご本人について ・氏名、国籍、生年月日
・現在収容されている施設と、収容が始まった時期
・これまでに受けた処分や手続の経緯
生活と連絡について ・日本国内に家族、親族、知人がいるか
・収容が解かれた場合に住む予定の場所
・本人と連絡を取れる手段があるか
これまでの手続について ・過去に仮放免や監理措置を申請したことがあるか
・すでに他の専門家に依頼しているか

手元に処分に関する書類(退去強制令書、収容令書など)がある場合は、その内容を確認できると判断がしやすくなります。

よくいただくご質問

Q. 行政書士に依頼すれば、必ず監理人になってもらえますか。

いいえ。行政書士が監理人を引き受ける可能性はありますが、本人の状況や連絡・住居の見通しを確認したうえで個別に判断します。また、承諾したとしても、正式な監理人の選定は入管の主任審査官が行うため、選定されるとは限りません。

Q. 監理人になると、本人の借金や生活費を肩代わりすることになりますか。

監理人は、本人の債務を代わりに負担する立場ではありません。役割は、本人の生活状況の把握、継続的な連絡、所定の場合の入管への報告などです。身元保証人とは性質が異なります。

Q. 家族が日本にいない場合でも、監理措置を申請できますか。

ご家族が国内にいないこと自体で申請ができなくなるわけではありません。ただし、誰が監理人となり得るか、収容が解かれた後にどこで生活するのかという点は必ず問われます。まずはその見通しを整理することから始めます。

Q. 費用はどのくらいかかりますか。

ご相談内容や必要となる対応の範囲によって異なるため、状況を伺ったうえでお見積りをご提示しています。監理人は継続的な対応を伴う立場ですので、名義のみをお引き受けするという形での対応は行っておりません。

Q. 本人が収容されていて、直接話ができません。相談できますか。

ご家族や支援されている方からのご相談も承っています。ただし、受任の可否を判断するうえでは、本人と連絡を取れる見込みがあるかどうかが重要な要素になります。現在の連絡状況も含めてお聞かせください。

まずは状況をご相談ください

監理人が見つからないという状況は、ご本人にとってもご家族にとっても、先が見えず不安の大きい場面だと思います。ただ、実際にお話を伺ってみると、候補となり得る方が身近にいらっしゃったり、住居の見通しを整理することで進め方が見えてきたりすることも少なくありません。

フジ行政書士事務所では、監理措置に関する書類の作成や申請の代行、監理人に関するご相談を承っています。行政書士が監理人をお引き受けできるかどうかは個別の事情によりますが、まずは現在の状況を整理するところからご一緒します。

お一人で抱え込まず、今の状況をお聞かせください

収容の状況、住まいの見通し、連絡が取れるかどうか。分かる範囲で構いません。まずはご連絡ください。

とりあえずLINEで相談する フジ行政書士事務所ホームページ
フジ行政書士事務所
〒562-0003 大阪府箕面市西小路5-2-25 西小路ビル406
TEL:072-734-7362
対応地域:箕面市・豊中市・池田市ほか北摂地域
※ 監理人としての受任は、実際に監理を行える体制が確保できる場合に限られます。

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