「永住申請がこれから厳しくなると聞いた」
「今のうちに申請した方がいいのだろうか」
「前から永住を考えていたが、まだ出していない」
こうした声を、最近とても多くいただきます。
永住許可をめぐっては現在、審査の考え方や在留期間の取扱いなど、いくつかの見直しが進められています。収入についても、これまで以上に具体的な考え方を示す方向で検討が進んでいます。永住許可を含む在留手続の手数料についても、変更が予定されています。
こうした話を聞くと、「厳しくなる前に申請しておいた方がいいのでは」と考える方もいるでしょう。ただ、全員が急いで申請すればよいというものでもありません。
この記事では、永住申請を考えている方が今どこを確認しておくとよいのかを整理します。
永住審査は何が厳しくなるのか
永住許可については、審査で考慮する事項をより明確にする方向で見直しが進められています。確認しておきたいのは、次のような点です。
そもそも永住許可は、通常の在留資格変更よりも慎重に審査される手続きです。出入国在留管理庁も、永住者には在留活動や在留期間の制限がないことから、より慎重な審査が必要であると説明しています。
ですから、「日本に長く住んでいるから大丈夫だろう」とは判断できません。一方で、インターネットで「永住が厳しくなる」という情報を見ただけで「自分にはもう無理だ」と諦めてしまうのも早すぎます。
大切なのは、現在のご自身の状況を個別に確認することです。
「厳しくなる前に出そう」が通用するとは限りません
ここは誤解されやすい部分です。
見直しの内容によっては、改定より前に申請した案件であっても、審査が続いている間に新しい考え方が及ぶ場合があります。特に収入に関する部分については、そうした取扱いが想定されています。
永住審査には数か月から1年以上かかることも珍しくありません。申請した時点では審査中のまま、制度の変わり目を迎えるという状況は十分にあり得ます。
つまり「今のうちに出しておけば従来の基準で審査される」とは限らない、ということです。
準備が整わないまま期限だけを意識して申請し、不許可になれば、その事実は次の申請にも影響します。間に合わせること自体を目的にするのは、あまり得策ではありません。
収入が気になる方は、一度確認を
「年収はいくらあれば永住できますか」というご質問を、本当によくいただきます。
永住許可では、将来にわたって安定した生活を続けられるかどうかが重視されます。そして今回の見直しでは、この収入の考え方が、これまでより具体的に示される方向にあります。
ただし、出入国在留管理庁が具体的な金額を公表しているわけではありません。インターネット上には様々な数字が出回っていますが、その多くは公的に示された基準ではありません。年収だけを単独で見て「これなら大丈夫」「これでは無理」と判断できるものでもありません。
こうした状況にあてはまる方は、申請の前に一度、現在の状態を確認しておくことをおすすめします。世帯の構成やこれまでの収入の推移も含めて考える必要があるためです。
税金・年金・健康保険は「今、未納がないか」だけではありません
永住申請では、公的義務を適正に履行していることも重視されます。ここで注意していただきたいのが、現時点で未納がなければ問題ない、とは限らないという点です。
永住許可のガイドラインでは、申請の時点で納付が済んでいたとしても、本来の納付期限内に履行していなかった場合には、原則として消極的な評価をするとされています。「後から払ったから大丈夫」と単純には言えないということです。
次のような心当たりがある方は、事前の確認が特に大切です。
・国民健康保険料について気になる時期がある
・住民税を納期限より後に納めたことがある
・過去に一時的に未加入だった期間がある
ここはご自身の記録を確認しないと判断できない部分です。逆に言えば、確認さえすれば、申請してよい状態かどうかがはっきりします。
在留期間が「3年」の方へ
永住許可の要件の一つに、現在の在留資格について最長の在留期間を持っていることがあります。多くの在留資格では、最長は5年です。
ただし現在は、在留期間「3年」であっても、最長の在留期間を持っているものとして扱う経過的な取扱いがあります。この取扱いは変更されることになっています。
とはいえ、「3年だから今すぐ駆け込まなければならない」という単純な話にはなりません。経過措置も設けられていますし、次の更新で5年が付く可能性もあります。そもそも収入や公的義務の面で準備が整っていなければ、急いで出しても結果は変わりません。
現在3年の在留期間をお持ちで、以前から永住を考えていた方は、3年という一点だけを見るのではなく、収入、在留歴、税金、年金なども含めて、今申請できる状態なのかを確認することが大切です。
手数料についても変更が予定されています
永住許可を含む在留手続の手数料についても、変更が予定されています。改正法はすでに成立していますが、実際の金額などについては今後正式に定められる部分があります。
そのため、「手数料が上がるから、とにかく急ごう」と考える必要はありません。ただ、以前から永住申請を考えていた方にとっては、いつ申請するのかを考える一つのきっかけにはなるでしょう。
永住申請は、全部を依頼する必要はありません
行政書士に相談すると聞くと、「申請一式をまとめて依頼することになる」と思われる方が少なくありません。そうではありません。
フジ行政書士事務所では、次のようなご相談を承っています。
ご自分でできる部分はご自分で。判断に迷う部分だけご相談いただく。そうした使い方で構いません。
以前から永住を考えていた方こそ、一度確認を
「いつか永住を取りたい」と思いながら、何年か経っているという方は少なくありません。
当時は条件が整っていなかったとしても、その後に在留年数が伸びた、収入が安定した、転職から時間が経った、税金や年金を継続して納めてきたといった変化があれば、状況は変わっている可能性があります。
制度が動こうとしている今は、「まだ無理だろう」と自分で決めてしまう前に、現在地を確かめる良い機会でもあります。
よくあるご質問
Q.永住申請に必要な年収はいくらですか
出入国在留管理庁が具体的な金額を公表しているわけではありません。世帯人数や扶養の状況を含めて総合的に判断されます。ネット上で見かける金額の多くは、公的に示された基準ではありません。
Q.すでに申請中ですが、取り下げた方がよいですか
自己判断で取り下げることはおすすめしません。項目によって取扱いが異なり、状況によって判断が変わります。まずは現在の状況を整理することをおすすめします。
Q.在留期間が3年です。次の更新で5年になりますか
更新時の判断によります。5年が付けば、期間の要件についての心配はなくなります。更新の見込みも含めて申請時期を考えることになります。
Q.不許可になった場合、再申請できますか
できます。ただし不許可の理由が解消されていなければ結果は変わりません。準備が整わないまま急いで申請することをおすすめしないのは、このためです。
Q.永住と帰化のどちらがよいか迷っています
ご家族の状況や今後の生活設計によって答えが変わります。どちらが有利と一律に決まるものではありませんので、状況をうかがったうえでご説明します。
大阪・箕面で永住申請をお考えの方へ
フジ行政書士事務所は大阪府箕面市の行政書士事務所です。箕面市・豊中市・池田市など北摂地域を中心に、オンラインでの対応も行っています。中国語でのご相談も承ります。
LINEでご相談いただく場合は、わかる範囲で次の5点をお知らせください。
① 現在の在留資格
② 現在の在留期間(1年・3年・5年など)
③ 日本に住んでいる年数
④ 現在のお仕事
⑤ 永住申請について気になっていること
すべての書類をそろえてからご相談いただく必要はありません。「永住審査が厳しくなると聞いたけれど、私は今申請した方がいいですか」というご相談からで構いません。
初回のご相談は1時間まで無料です。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。永住許可の審査に関する取扱いや手数料については、今後変更される可能性があります。最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。
