特定技能外国人の支援は、できるだけ費用を抑えて委託したい。受入企業がそう考えるのは当然のことです。
支援を登録支援機関へ委託すると、外国人1人につき毎月の支援委託料がかかります。人数が増えれば、その分だけ負担も大きくなります。
その中で、2027年4月から1号特定技能外国人への支援体制に関する要件が変わります。
今回の変更で企業に関係してくるのは、受託する規模に応じた支援担当者の人数基準が設けられること、そして支援業務を行うことができる人が限定されることです。
少ない人員で多くの企業や外国人を受託し、コストを抑えて低価格を実現するという運営方法には、影響が出る可能性があります。
「低価格で大量に受託する」支援モデルは難しくなる?
登録支援機関の支援委託料は、それぞれの機関が自由に設定しています。制度で料金が決められているわけではありません。
一人の担当者が多くの企業や特定技能外国人を担当できれば、外国人1人当たりにかかる人件費は下がります。数を集めることで低価格を実現するという運営方法も、これまでは成り立ちました。
しかし2027年4月からは、受託できる規模に基準が設けられます。
担当者の人数にかかわらず、多くの企業・外国人の支援を受託できた。少ない人員で運営し、コストを抑えることが可能だった。
受託する企業数・支援する外国人数に応じて、支援担当者を確保しなければならない。支援業務に従事できる人も限定される。
つまり、受託件数だけを増やして支援する人員は増やさない、という運営が難しくなるということです。
もちろん、これによって登録支援機関の料金が一斉に上がると決まったわけではありません。業務の効率化によって、料金を抑えながら必要な支援を提供することもできます。
ただし、少ない人員で多数の企業・外国人を支援することを前提に低価格を実現しているモデルには、影響が出る可能性があります。
支援担当者には新しい人数基準が設けられます
2027年4月からは、登録支援機関が受託している企業数と、支援している1号特定技能外国人の人数に応じて、必要な支援担当者の数が決まります。
新しく設けられる人数の基準
・支援担当者1人につき、委託を受けることができる特定技能所属機関は10機関未満
・支援担当者1人につき、支援することができる1号特定技能外国人は50人未満
なお、支援責任者が支援担当者を兼務することは可能です。
受託する企業や外国人が増えれば、それに応じて支援する側の人員も必要になる。これが今回の変更の中心です。
あわせて、支援を行う事業所ごと、登録支援機関の場合は支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員または職員の中から支援責任者と支援担当者を選任することとされています。複数の拠点を持つ登録支援機関では、拠点ごとの体制も問われることになります。
2027年4月からは、受託する規模に応じた支援担当者の確保が必要になります
支援業務を「誰が行うか」も変わります
今回の変更で、人数基準と同じくらい実務に影響するのが、支援業務に従事することができる人が支援責任者と支援担当者に限定されるという点です。
これまでは、選任された支援責任者・支援担当者以外の一般スタッフが支援実務の一部を担うこともありました。今後は、そうした運営が取りにくくなります。
受託規模に応じて支援担当者を確保しなければならず、しかも支援業務を行える人も限られる。この2つが重なることで、少ない人員で大量に受託してコストを下げるという方法には影響が出る可能性があります。
2027年4月にすべての機関が一斉に切り替わるわけではありません
新しい要件の施行日は2027年4月1日です。ただし、すでに登録を受けている登録支援機関などについては経過措置が設けられています。
登録支援機関の登録は5年ごとの更新です。更新申請は、原則として有効期間が満了する日の6か月前の月の初日から4か月前の月の末日までの間に行うこととされています。
そのため、2027年4月1日になった瞬間に全国すべての登録支援機関が新しい人数基準へ切り替わるわけではなく、実際には登録や更新のタイミングで順次影響していくことになります。
受入企業として押さえておきたい点
今の委託先がすぐ変わるとは限りません。ただし、委託先の登録支援機関がいつ更新時期を迎え、どのような体制で新しい要件に対応する予定なのかは、確認しておく価値があります。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」https://www.moj.go.jp/isa/10_00263.html
支援料金はどうなる?
気になるのは、制度の変更によって支援委託料がどうなるのかです。
現時点で、2027年4月から登録支援機関の料金が上がると決まっているわけではありません。料金はそれぞれの登録支援機関が決めるものです。
ただし、受託する企業や外国人が増えるほど支援担当者も必要になるのであれば、人件費との関係を無視することはできません。
特に低価格で多数の外国人を支援している機関では、次のような判断が出てくることが考えられます。
登録支援機関に想定される対応
・現在の料金を維持する
・支援料金を見直す
・受託する企業数や外国人数を調整する
・支援担当者を増やす
どの対応を取るかは機関ごとに分かれます。今後は単純な価格競争だけではなく、必要な人員を確保しながらどこまで効率的な支援体制を作れるかが問われることになりそうです。
安い登録支援機関が悪いわけではありません
ここは誤解しないようにしたいところです。
支援料金が安いこと自体に問題があるわけではありません。支援方法を工夫し、業務を効率化することで、料金を抑えながら適切な支援を提供している登録支援機関もあります。
また、規模が小さいから対応できない、大きいから安心ということでもありません。
今回変わるのは、安いか高いかという話ではなく、多くの支援を受託するのであれば、それに応じた人員体制も必要になるという点です。
特定技能外国人が働き続ける間、支援は継続して行われます
受入企業としては、月額料金がいくらかだけではなく、その料金でどこまで対応してもらえるのか、どのような体制で外国人を支援しているのかという点も見て選ぶことが、これまで以上に重要になります。
自社で支援している企業も無関係ではありません
今回の変更は、登録支援機関へ委託している企業だけの話ではありません。
登録支援機関へ委託せず、自社で1号特定技能外国人を支援している特定技能所属機関にも、支援体制に関する要件は関係します。
特定技能外国人の採用人数が増えていく企業では、今後も自社支援を続けるのか、登録支援機関へ委託するのかを、あらためて検討する場面が出てくることも考えられます。
これからは「料金」と「支援体制」を合わせて考える
登録支援機関は全国に数多くあり、料金も支援方法もさまざまです。これまで料金を中心に比較していた企業も多いかもしれません。
これからは、次の3つを合わせて見ていくことになります。
| 支援料金 | 月額はいくらか。外国人の人数が増えたときにどう変わるか。 |
|---|---|
| 支援内容 | その料金でどこまで対応してもらえるのか。追加費用が発生する範囲はどこか。 |
| 支援体制 | どのような人員体制で支援しているのか。今後の受入人数の増加にも対応できるか。 |
特定技能外国人の支援は、一度手続きをすれば終わりというものではありません。外国人が働き続ける間、必要な支援を継続していくことになります。
だからこそ、料金だけではなく、自社の受入人数や今後の採用計画に合った登録支援機関を選ぶことが大切です。
フジ行政書士事務所も登録支援機関として支援しています
フジ行政書士事務所は、行政書士として在留資格の手続きを行うだけでなく、登録支援機関として1号特定技能外国人の支援も行っています。
こんな段階でもご相談いただけます
・これから特定技能外国人を採用したい
・登録支援機関を探している
・今後、特定技能外国人を増やしていきたい
・支援料金や支援内容について聞いてみたい
・自社支援を続けるか、登録支援機関へ委託するか迷っている
登録支援機関をまだ決めていなくても構いません。特定技能外国人の採用や支援について検討している企業は、フジ行政書士事務所までご相談ください。
特定技能外国人の採用・支援のご相談
大阪府箕面市のフジ行政書士事務所は、行政書士事務所であり登録支援機関です。在留資格の手続きから採用後の支援まで、まとめてご相談いただけます。
とりあえずLINEで相談する フジ行政書士事務所ホームページ