建設会社が特定技能外国人を採用するには?建設業許可から在留資格・支援まで解説

建設会社が特定技能外国人を採用するとき、外国人本人の在留資格だけを確認すればよいわけではありません。建設分野では、受入企業側にも建設業許可をはじめとする複数の要件があります。

特に注意したいのが、「うちは500万円未満の工事しか請け負っていないから、建設業許可は必要ない」と考えている会社です。

建設分野の特定技能外国人を受け入れる場合は、工事の規模にかかわらず建設業許可が必要です。

この記事の結論

・建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業には、建設業許可が必要です
・500万円未満などの軽微な工事しか行わない会社でも、特定技能「建設」の受入れでは建設業許可が必要です
・建設業許可だけ取得すれば受入れできるわけではなく、CCUS・JAC・建設特定技能受入計画など建設分野特有の手続きがあります
・外国人に担当させる仕事内容と、特定技能の業務区分・自社の許可業種との対応確認も必要です
・1号特定技能外国人については、自社支援か登録支援機関への委託かも決める必要があります

フジ行政書士事務所は、在留資格申請と建設業許可を取り扱う行政書士事務所であり、1号特定技能外国人の支援を行う登録支援機関でもあります。建設業許可・在留資格・支援体制まで、一つの窓口でご相談いただけます。

目次

特定技能「建設」の受入企業には建設業許可が必要

建設分野の特定技能外国人を受け入れる企業は、建設業法第3条に基づく建設業許可を受けている必要があります。これは、建設特定技能受入計画の認定を受けるための要件の一つです。

そのため、外国人本人が次の状態であっても、受入企業側が要件を満たしていなければ受け入れることはできません。

・特定技能評価試験に合格している
・必要な日本語能力を満たしている
・会社と雇用契約を締結している

外国人本人だけでなく、「会社が受入企業としての条件を満たしているか」を先に確認することが重要です。

500万円未満の工事だけでも建設業許可が必要?

はい。特定技能「建設」の外国人を受け入れるのであれば、建設業許可が必要です。

通常の建設業法では、建築一式工事以外で1件の請負代金が500万円未満の工事などは「軽微な建設工事」に当たり、建設業許可を取得しなくても営業できます。そのため、小規模工事を中心に行ってきた会社では、「これまで建設業許可がなくても問題なく営業してきた」というケースがあります。

しかし、特定技能「建設」の受入れでは扱いが異なります。

通常は建設業許可が不要な規模の工事しか行っていない会社でも、建設分野の特定技能外国人を受け入れるためには建設業許可が必要です。

問題考え方
工事の規模から建設業許可が必要か軽微な工事のみなら不要
特定技能外国人を受け入れる会社として建設業許可が必要か工事の規模にかかわらず必要

この2つは分けて考える必要があります。

建設現場でベテランの日本人技能者と外国人技能者がブロック積みをしている様子

現場で技能作業に従事する外国人を受け入れるには、会社側にも建設業許可が必要です

建設業許可がない会社が特定技能外国人を採用したい場合

建設業許可を持っていない会社は、外国人の在留資格申請を始める前に、自社が建設業許可を取得できる状態かを確認してください。

建設業許可には、経営業務の管理体制、営業所技術者等、財産的基礎、社会保険への加入など、複数の要件があります。「外国人が見つかったから、建設業許可もすぐ取ろう」と考えても、会社側の要件を満たしていなければ予定どおりに進みません。

採用候補者が決まる前に、建設業許可・仕事内容・会社側の受入要件を確認しておくと、採用後の手戻りを減らせます。

建設業許可だけでは受入れできない

建設業許可を取得しても、それだけで特定技能外国人を受け入れられるわけではありません。建設分野には、通常の特定技能に加えて独自の受入要件があります。

要件・手続き内容
建設業許可建設業法第3条の許可
CCUS事業者登録受入企業の建設キャリアアップシステム登録
CCUS技能者登録特定技能外国人本人の登録
JAC加入建設技能人材機構への加入
建設特定技能受入計画の認定国土交通大臣の認定
報酬・昇給同等技能の日本人と同等以上の報酬、技能習熟に応じた昇給
安全衛生教育受入後の教育の実施
支援体制1号特定技能外国人への支援(自社または登録支援機関)

「建設業許可を取得したので、あとは在留資格申請だけ」というわけではありません。

建設キャリアアップシステム(CCUS)

CCUSは、建設技能者の資格や現場での就業履歴を登録・蓄積する仕組みです。建設分野の特定技能では、受入企業の事業者登録に加え、特定技能外国人本人の技能者登録が必要です。

建設技能人材機構(JAC)

特定技能「建設」の外国人を受け入れる企業は、JACへの加入が必要です。JACの正会員である建設業者団体を通じて加入する方法と、受入企業が賛助会員となる方法があります。

登録支援機関へ外国人の支援を委託しても、建設業許可・CCUS・JAC・受入計画など受入企業自身に求められる要件はなくなりません。

建設特定技能受入計画の認定が必要

建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合、建設特定技能受入計画を作成し、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。これは建設分野特有の手続きです。

受入計画では、建設業許可、CCUS、JACへの加入状況のほか、外国人の報酬や就労環境なども確認されます。

「入管に在留資格申請を出せば受入れ準備は終わり」ではなく、国土交通省側の手続きと出入国在留管理庁への在留資格申請を含めて、全体のスケジュールを組む必要があります。

1号特定技能外国人には支援も必要

1号特定技能外国人を受け入れる場合、受入企業には支援計画に基づく支援が求められます。

義務的支援の主な内容

・事前ガイダンス
・出入国時の送迎
・住居確保・生活に必要な契約の支援
・生活オリエンテーション
・公的手続きへの同行
・日本語学習機会の提供
・相談・苦情への対応
・日本人との交流促進
・転職支援(会社都合による場合)
・定期的な面談

会社が要件を満たして自社で支援する方法と、支援の全部を登録支援機関へ委託する方法があります。

フジ行政書士事務所は登録支援機関でもあります

「在留資格申請だけ依頼したい」「自社支援にするので支援体制だけ確認したい」「支援そのものを委託したい」など、会社の体制に応じてご相談いただけます。

とりあえずLINEで相談する
建設現場で現場担当者が建設中の建物を指しながらスーツ姿の相談者に説明している様子

外国人に担当させる仕事内容を現場で確認しながら、必要な手続きを整理します

外国人に担当させる仕事内容と業務区分を確認する

建設分野の特定技能は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務区分に分かれ、どの区分に当たるかは外国人に実際に担当させる仕事内容で判断します。

業務区分主な作業の例
土木型枠、鉄筋、とび、土工、舗装など
建築大工、左官、内装仕上げ、屋根、建築板金など
ライフライン・設備電気通信、配管、保温保冷など

国土交通省は、特定技能の業務区分と建設業許可の工事業との対応関係も示しています。外国人本人の資格だけでなく、自社の建設業許可の業種と、外国人に担当させる仕事が適切に対応しているかを確認する必要があります。

建設会社だから外国人は全員「特定技能」ではない

建設会社で外国人を採用する場合でも、必ず特定技能になるわけではありません。

建築設計、設計監理、積算などの専門的な技術業務を行う場合には、「技術・人文知識・国際業務」を検討できるケースがあります。一方、建設現場で技能作業に従事する場合は、特定技能「建設」が中心になります。

「施工管理」という肩書きを付ければ技人国になるわけではなく、実際にどのような仕事を行うのかで判断されます。採用後の仕事内容を具体的に整理してから在留資格を検討してください。

建設会社が特定技能外国人を採用する流れ

① 外国人に担当してもらう仕事を決める
現場で具体的に何をしてもらうのかを整理します。
② 建設業許可を確認する
許可の有無、許可業種、有効期限を確認します。許可がない場合は、まず取得可能かを確認します。
③ 外国人本人の資格を確認する
特定技能評価試験、日本語能力、技能実習修了歴などを確認します。
④ CCUS・JACなど会社側の準備を進める
建設特定技能受入計画の認定に必要な準備を行います。
⑤ 建設特定技能受入計画の認定申請をする
国土交通省への認定申請を進めます。
⑥ 支援方法を決める
1号特定技能外国人について、自社で支援するか、登録支援機関へ委託するかを決めます。
⑦ 在留資格申請を進める
海外から呼び寄せる場合、他の在留資格から変更する場合、転職してくる場合など、外国人の状況に応じた申請を行います。

建設業許可・在留資格・支援をまとめて確認した方がよい会社

・500万円未満の工事しか行っておらず、建設業許可を持っていない
・初めて特定技能外国人を採用する
・建設業許可はあるが、外国人にさせる仕事との対応が分からない
・CCUSやJACの手続きをまだ行っていない
・建設特定技能受入計画について分からない
・外国人の在留資格申請までまとめて確認したい
・自社支援にするか登録支援機関へ委託するか迷っている
・技人国と特定技能のどちらで採用すべきか迷っている

フジ行政書士事務所(大阪・箕面)では、行政書士として建設業許可と在留資格申請に対応し、登録支援機関として1号特定技能外国人の支援にも対応しています。

建設業許可・在留資格・支援を別々に考えるのではなく、「この会社で、この外国人を、この仕事で採用するには何が必要か」というところから整理できます。

特定技能「建設」と建設業許可のFAQ

Q1.500万円未満の工事しかしていません。建設業許可なしで特定技能外国人を雇えますか?

いいえ。

建設分野の特定技能外国人を受け入れる場合、軽微な工事だけを行う会社であっても建設業許可が必要です。

Q2.建設業許可を取ればすぐに特定技能外国人を雇えますか?

いいえ。

CCUS、JAC、建設特定技能受入計画の認定、在留資格申請など、ほかにも必要な手続きがあります。

Q3.登録支援機関に頼めば建設業許可は不要になりますか?

いいえ。

登録支援機関への支援委託と、受入企業に求められる建設業許可などの要件は別です。

Q4.登録支援機関へ何を任せられますか?

1号特定技能外国人に対する支援を委託できます。

建設業許可、CCUS、JAC、建設特定技能受入計画など、受入企業側で満たす必要がある要件はなくなりません。

Q5.会社で自社支援することもできますか?

要件を満たせば可能です。

必要な支援を適切に実施できる体制が必要です。自社支援が難しい場合には、登録支援機関への委託を検討できます。

Q6.建設会社なら外国人は全員特定技能ですか?

いいえ。

設計や積算など専門的な業務の場合は、技術・人文知識・国際業務が検討されるケースもあります。仕事内容によって判断します。

Q7.外国人の採用が決まってから建設業許可を取っても間に合いますか?

会社側の要件を満たしていれば取得できますが、採用スケジュールに影響します。

建設業許可の取得後にCCUS・JAC・受入計画の認定・在留資格申請が続くため、採用候補者が決まる前に許可の要件を確認しておくことをおすすめします。

まとめ|建設業許可・在留資格・支援を一体で考える

建設分野の特定技能外国人を採用する場合、外国人本人の在留資格だけを確認しても十分ではありません。受入企業側にも、建設業許可をはじめ、CCUS、JAC、建設特定技能受入計画などの要件があります。1号特定技能外国人については、受入れ後の支援体制も準備する必要があります。

特に、これまで軽微な工事しか行っておらず建設業許可を取得していない会社は注意が必要です。外国人の採用を決めた後に会社側の要件不足が判明すると、採用スケジュールが大きくずれます。

建設業許可から特定技能外国人の受入れ・支援までご相談いただけます

フジ行政書士事務所は、建設業許可・在留資格申請を取り扱う行政書士事務所であり、登録支援機関でもあります。「建設業許可がない」「会社側の受入要件が分からない」「在留資格申請を頼みたい」「外国人への支援まで任せたい」という段階からご相談ください。

とりあえずLINEで相談する フジ行政書士事務所ホームページ

※本記事は2026年9月時点の制度をもとに、主に特定技能1号「建設」について解説しています。制度や必要書類等は変更される場合がありますので、実際の手続き時には最新情報をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次