特定技能で働いている外国人が、いまの在留期限を超えて引き続き日本で働くためには、原則として在留期間更新許可申請が必要です。
「いつから申請できるのか」「本人がするのか、会社がするのか」「何を準備すればよいのか」で迷う企業担当者や外国人の方は少なくありません。さらに2026年10月1日から、国に納める手数料の仕組みが大きく変わります。
・在留期間が6か月以上ある場合、原則として満了日の3か月前から申請できます。
・申請人は外国人本人ですが、会社側で用意する資料が多く、本人だけでは準備しにくい手続きです。
・届出をした行政書士などの申請取次者が、本人の依頼を受けて書類を作成・提出できます。
・2026年10月1日以降に受け付けられた申請から、手数料が許可された在留期間に応じた段階制に変わります。
・勤務先が変わる場合は「更新」ではなく、原則として在留資格変更許可申請です。
なお、一般には「特定技能ビザの更新」と呼ばれますが、法律上の手続名は「在留期間更新許可申請」です。本記事では分かりやすさのため「特定技能ビザ」という表現も使用します。
特定技能ビザの更新とは?在留資格を変えずに期間だけ延ばす手続き
在留期間更新許可申請とは、いま持っている在留資格を変更せず、その活動を引き続き行うために在留期間を延長する手続きです。
たとえば「特定技能1号」で食品工場に勤務している外国人が、同じ会社・同じ分野の同じ業務で引き続き働く場合は、在留期限までに更新申請を行います。
一方で、前回の許可から状況が変わっている場合は、単純な「更新」では済まないことがあります。特に、勤務先である特定技能所属機関が変わる場合は、同じ「特定技能」であっても原則として在留資格変更許可申請が必要です。
更新になるケース・変更になるケース
| 状況 | 必要な手続き |
|---|---|
| 同じ会社・同じ分野・同じ業務で働き続ける | 在留期間更新許可申請 |
| 別の会社(特定技能所属機関)へ転職した | 原則として在留資格変更許可申請 |
| 同じ会社だが従事する分野・業務区分が変わる | 原則として在留資格変更許可申請 |
| 特定技能1号から特定技能2号へ移行する | 在留資格変更許可申請 |
「在留カードの期限が近いから更新」とだけ考えず、勤務先・仕事内容・雇用条件・支援体制に変更がないかを先に確認することが重要です。
特定技能の更新はいつから申請できる?満了日の3か月前から
在留期間が6か月以上ある方は、原則として在留期間満了日の3か月前から更新申請ができます。在留期限が12月31日であれば、9月30日頃からが申請可能期間です。
出入国在留管理庁は、在留期間内に許可を受けることを希望する場合、更新申請は満了日の3か月前から45日前までの申請に努めるよう案内しています。
在留期限からの逆算スケジュール
更新では本人の在留カードやパスポートだけでなく、会社が用意する雇用や報酬の資料もそろえて確認します。
特定技能1号の在留期間は何年?最長3年・通算5年が上限
特定技能1号の在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間で、現在は3年・1年・6か月・4か月のいずれかです。2025年9月30日施行の運用要領の見直しにより、従来の「1年・6か月・4か月」から最長3年まで指定できるようになりました。
ただし、更新すれば誰でも3年が付与されるわけではありません。これまでの在留状況、届出の履行状況、雇用契約の期間、特定技能1号としての通算在留期間などを踏まえて個別に決定されます。
また、特定技能1号として在留できる期間は、原則として通算5年以内です。一定の休業期間などが通算から除外される取扱いもあるため、5年の上限が近い方は早めに残り期間を確認してください。
特定技能ビザ更新の必要書類
特定技能の更新は、在留カードと申請書だけを出せばよい手続きではありません。出入国在留管理庁が公開している最新の「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」に従い、本人・受入れ企業・対象分野に応じた資料を準備します。
まず必要になる基本書類
・規格に合った顔写真
・パスポート
・在留カード
追加で確認される代表的な資料
・特定技能雇用契約・雇用条件に関する資料
・所得・住民税・納税状況に関する資料
・社会保険料等の公的義務の履行状況に関する資料
・対象となる特定産業分野ごとに求められる資料
・必要に応じて協議会への加入状況等を確認する資料
本人だけで更新できる?会社が代わりに申請できる?
外国人本人が自分で申請することはできる
できます。在留期間更新許可申請の申請人は外国人本人であり、本人が地方出入国在留管理官署へ出向いて申請することが可能です。
ただし特定技能の更新では、本人の情報だけでなく、勤務先である特定技能所属機関の情報、雇用条件、報酬、支援の実施状況なども確認されます。本人に「更新しておいて」と任せきりにするのではなく、会社側でも在留期限を管理し、必要資料を準備する体制を作っておく方が安全です。
会社の担当者なら誰でも提出できるわけではない
会社だからという理由だけで、本人の代わりに申請書類を提出できるわけではありません。法令上認められた代理人や、一定の要件を満たす申請取次者が、本人から依頼を受けて手続きを行える仕組みになっています。
具体的には、所定の承認を受けた企業職員や、地方出入国在留管理局長に届出をした行政書士などが申請取次を行います。行政書士は、本人からの依頼を受けて申請書類の作成と提出を行います。
外国人を複数雇用している会社では、在留期限を一覧で管理し、更新時期が近い人から順に準備を進めると、期限直前の慌ただしさや更新漏れを防ぎやすくなります。
2026年10月1日から特定技能の更新手数料が変わる
2026年10月1日以降に受け付けられる在留期間更新許可申請から、国へ納付する手数料が、許可される在留期間に応じた段階制に変わります。現行の一律6,000円(オンライン5,500円)からの改定です。
オンライン申請:5,500円
9月30日までに受付された申請であれば、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料が適用されます。
2026年10月1日以降に受付された場合の手数料
| 許可された在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3か月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3か月超〜6か月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6か月超〜1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超〜3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上〜5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
特定技能1号は最長3年の指定となるため、実際に該当するのは「3年以上〜5年未満」までの区分です。3年の許可を受けた場合、窓口なら64,000円、オンラインなら56,000円となります。
オンライン申請では上記に加えて決済手数料が必要です。2026年10月1日以降のオンライン申請は、従来の収入印紙ではなく、コンビニ決済または銀行決済で納付する仕組みに変わります。
また、経済的困難その他特別の理由がある場合の減額・免除措置も設けられています。対象者や手続きは出入国在留管理庁の案内をご確認ください。
なお、これらは国へ納付する法定手数料であり、行政書士へ依頼する場合の報酬とは別です。手数料を会社が負担するか本人が負担するかは法律上の定めがないため、金額が大きくなる今回の改定を機に、雇用契約や社内規程での取り決めを確認しておくことをおすすめします。
同じ会社・同じ業務で働き続ける場合が更新にあたり、勤務先が変わる場合は別の手続きになります。
更新で確認されるのは「書類がそろっているか」だけではない
更新審査では、これまでの在留状況や特定技能としての活動状況も確認されます。出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」でも、在留状況、納税義務、公的義務の履行などが考慮要素として示されています。
・社会保険料等の公的義務に未履行がある
・入管への必要な届出をしていない
・雇用条件が前回の申請内容から変わっている
・実際の仕事内容が特定技能で認められた業務から外れている
・支援計画どおりの支援が行われていない
・特定技能1号の通算在留期間が上限に近づいている
これらに心当たりがある場合、書類をそろえて提出する前に、状況を整理してから申請する方が安全です。
勤務先が変わった場合は「更新」ではない
特定技能で特に間違えやすいのが転職時の手続きです。別の特定技能所属機関へ転職する場合は、同じ「特定技能」という在留資格であっても、原則として在留資格変更許可申請が必要です。
たとえばA社の外食業で働いていた特定技能外国人が退職し、B社の外食業で働く場合、「在留期限が近いから更新申請」という処理にはなりません。新しい受入れ企業の要件、雇用契約、対象業務、支援体制などを確認したうえで手続きを進めます。
「更新なのか、変更なのか分からない」という段階で確認しておく方が、期限直前に手続きをやり直すより負担が小さくなります。
更新申請中に在留期限が来たらどうなる?特例期間
在留期限までに適法に更新申請を行い、期限までに審査結果が出なかった場合は、一定の場合に特例期間が適用されます。
特例期間中は、原則として審査結果が出るとき、または従来の在留期限から2か月が経過するときのいずれか早い時まで、従来の在留資格で在留し、従来の活動を続けることができます。
ただし「特例期間があるから期限ぎりぎりでよい」とは言えません。特例期間中はマイナンバーカードの利用や金融機関の手続きなどで制限が生じることがあり、本人の生活面に影響します。できるだけ余裕を持って申請してください。
特定技能の更新を行政書士へ相談した方がよいケース
本人申請ができる以上、すべての更新を行政書士へ依頼する必要はありません。一方で、次のような場合は申請前に確認しておく価値があります。
・外国人本人にすべて任せることに不安がある
・外国人を複数雇用しており、会社側で更新時期を管理したい
・雇用条件や給与が前回申請時から変わっている
・税金・社会保険・入管への届出状況に不安がある
・本人が転職してきた、または転職を予定している
・特定技能1号の通算5年が近づいている
・自社支援と登録支援機関への委託のどちらにするかで迷っている
・何の書類を準備すればよいか分からない
フジ行政書士事務所は、在留資格申請を取り扱う行政書士事務所であり、特定技能1号の支援を行う登録支援機関でもあります。更新申請の手続きだけでなく、受入れ企業側の支援体制や登録支援機関との関係も含めてご相談いただけます。
特定技能ビザ更新のFAQ
Q1.特定技能の更新はいつからできますか?
原則として、在留期間が6か月以上ある方は満了日の3か月前から申請できます。
出入国在留管理庁は、在留期間内に許可を受けることを希望する場合、満了日の45日前までの申請に努めるよう案内しています。準備は2〜3か月前から始めるのが安全です。
Q2.特定技能外国人は自分で更新できますか?
できます。申請人は外国人本人であり、本人申請が可能です。
ただし勤務先や雇用条件など、会社側で用意・確認する資料も多いため、会社と連携して進める必要があります。
Q3.会社の担当者が本人の代わりに申請できますか?
会社の担当者であれば誰でもできるわけではありません。
所定の承認を受けた企業職員や、届出をした行政書士など、法令上認められた申請取次者が本人の依頼を受けて手続きを行います。
Q4.特定技能で転職した場合も更新申請ですか?
いいえ。所属する特定技能所属機関が変わる場合は、原則として在留資格変更許可申請です。
同じ特定技能・同じ分野への転職であっても、単なる更新とは扱いません。
Q5.更新申請中に在留期限を過ぎたら不法滞在になりますか?
期限までに適法に申請していれば、一定の場合は特例期間が適用されます。
原則として、処分時または従来の在留期限から2か月が経過するときのいずれか早い時まで、従来の在留資格で在留できます。
Q6.税金を滞納していると特定技能を更新できませんか?
滞納があれば必ず不許可になるとは限りませんが、審査で不利な要素となる可能性があります。
特定技能では税金や社会保険料など公的義務の履行状況も確認されます。未納がある場合は放置せず、申請前に状況を整理してください。
Q7.2026年10月1日以降、更新手数料はいくらになりますか?
許可された在留期間に応じて、窓口10,000円〜75,000円、オンライン10,000円〜65,000円の段階制になります。
特定技能1号は最長3年の指定のため、3年が許可された場合は窓口64,000円、オンライン56,000円です。2026年9月30日までに受付された申請は、許可が10月以降でも改定前の金額です。
まとめ|更新は期限だけでなく「現在の状況」から確認する
特定技能ビザの更新は、在留カードの期限を延ばすだけの手続きではありません。本人の在留状況に加え、雇用条件、仕事内容、税金・社会保険、受入れ企業の状況、分野ごとの要件を確認したうえで申請します。
2026年10月1日からは手数料の仕組みも変わり、許可される在留期間によって負担額が変わります。在留カードの満了日の2〜3か月前には準備を始めてください。
特定技能の更新について、外国人本人からのご相談はもちろん、特定技能外国人を雇用する会社からのご相談にも対応しています。
【参考】出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」/「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」
※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとに作成しています。制度・提出書類・手数料等は変更されることがありますので、申請時には最新情報をご確認ください。
