特定技能外国人を採用することになり、登録支援機関を探してみる。
検索すると、想像していたよりずっと多く出てきます。並べて料金を見ると、安いところと高いところがある。
では、一番安いところに頼めばいいのでしょうか。
月額1万5,000円と2万5,000円、どちらが安いですか
この二つだけを見れば、答えはA社です。2人受け入れるなら、年間で24万円の差になります。無視できる金額ではありません。
ただ、この二つの数字は同じものの値段ではないかもしれません。支援の内容は登録支援機関ごとに決められるので、月額に何が入っているかが違えば、そもそも比較になっていないことになります。
そこで、最初の質問が出てきます。
月額に入っていない業務は、どれくらいありますか
この質問をすると、答えの形が機関によってかなり違います。よくあるのは、月額は定期面談と定型的な連絡までで、それ以外は都度費用という形です。
確認しておくと差が見えやすいのは、次のような場面です。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 外国人から時間外に相談があった | 対応するか。追加費用が出るか |
| 役所や病院への同行が必要になった | 訪問対応の有無と、その費用 |
| 入居先の契約や引っ越しが発生した | 住居確保の支援がどこまで含まれるか |
| 定期届出の時期が来た | 作成・提出まで含まれるか |
| 在留期限が近づいた | 申請手続きが含まれるか(後述します) |
この表を埋めてから料金を並べると、1万5,000円と2万5,000円の位置関係が変わることがあります。逆に、埋めてみたら安いほうが十分だった、という結論もあります。安いこと自体は普通にメリットです。効率的な体制で低料金を実現している機関もあります。見たいのは金額そのものではなく、金額と内容の対応関係です。
契約前の打ち合わせで、月額に何が含まれるかを一つずつ確認しておくと後の認識違いが減ります。
今は2人ですが、5人・10人になっても対応できますか
次に出てくるのが人数の話です。今の受入れ人数で見積もりを取るのは自然ですが、採用は増えていくものです。2人が5人になり、10人になったとき、同じ体制で支援が続くのかどうか。
ここには制度側の事情もあります。2027年(令和9年)4月1日から、登録支援機関について、受託している特定技能所属機関の数や支援する1号特定技能外国人の数に応じて支援担当者を確保する基準が設けられます。委託先の体制が、今後の受入れ人数に耐えられるかどうかは、契約前に聞いておく価値があります。
あわせて、人数が増えたときに月額がどう変わるのかも聞いておくと、3年後の費用感が見えます。
契約したあと、実際に支援するのは誰ですか
打ち合わせに来るのは営業担当者であることが多いですが、契約後に外国人と接するのは別の人であることも珍しくありません。判断材料にしたいのは会社名ではなく、実際に動く人と体制のほうです。
たとえば外国人本人から、こういう連絡が来たとします。
・体調が悪いが、どの病院に行けばいいのか分からない
・会社には少し話しにくいことがある
このとき、誰がどの言語で、どの手段で受けるのか。会社を通す仕組みなのか、本人が直接連絡できるのか。「会社には話しにくい」という相談は、会社経由の窓口では出てきません。ここは支援の質に直結します。
「全部お任せください」は、どこまでですか
説明を受けていると「全部お任せいただけます」と言われることがあります。心強い言葉ですが、委託しても受入れ企業側の対応がすべてなくなるわけではありません。
雇用契約に関することや、受入れ機関として企業自身に課される届出など、会社側に残るものがあります。契約前に、残る部分を具体的に出してもらっておくと、あとで「これはうちがやるのか」とならずに済みます。
在留資格で困ったときは、誰に聞けばいいのですか
ここが、契約後にいちばん迷いが出る部分かもしれません。1号特定技能外国人への「支援」と、在留資格の「申請手続き」は制度上は別のものです。支援を委託したからといって、在留資格の申請が当然に月額に含まれるとは限りません。
実際に発生するのは、こういう場面です。
・別の在留資格から特定技能へ変更したい人を採用することになった
・他社から転職してくる特定技能外国人を受け入れたい
・家族を呼びたいと本人から相談された
このとき、支援の窓口に聞けばよいのか、別に依頼先を探すことになるのか。契約前に決まっていれば迷いませんが、決まっていないと、期限が近づいてから探し始めることになります。
なお当事務所は、行政書士事務所であり登録支援機関でもあります。支援の話と在留資格の話が混ざった状態でも、そのままお聞きしています。
支援がうまくいっているかどうかは、最終的には職場での本人の様子に表れます。
すでに委託中ですが、話を聞くだけでもいいですか
すでに別の登録支援機関を利用している場合、今の支援に問題がなければ、そのまま継続していただくのが自然です。切り替えること自体が目的ではありません。
一方で、次のような段階であれば、他の機関の話を聞いておくことに意味があります。
2.料金と支援内容の対応関係を、他と並べて確認したい
3.在留資格の相談先が決まっていない
4.他ではどういう支援になるのか、単純に知りたい
変更すると決めてから相談する必要はありません。比較材料をそろえた結果、今のままがよいという結論でも構いません。
結局、どこを選べばいいのですか
一律の正解はありません。ただ、聞くべきことは4つに絞れます。
2.外国人からの相談には誰が対応しますか
3.今後、外国人が増えても対応できますか
4.在留資格の手続きが必要になったらどうなりますか
この4つを、候補として挙げている登録支援機関すべてに同じ形で聞いてみてください。答え方の違いだけで、かなりのことが分かります。
そのうえで、最後にもう一つ足すとすれば、これです。「うちの場合はどんな支援になりますか?」。業種、人数、国籍、勤務地によって支援の実際は変わるので、一般論の説明ではなく自社の条件で答えてもらうのが、いちばん比較しやすい形です。
よくあるご質問
登録支援機関は途中で変更できますか
できます。支援計画の変更などの手続きが必要になるため、切り替えの時期は届出のタイミングと合わせて検討することになります。
見積もりだけ取ることはできますか
できます。受入れ予定の人数、業種、勤務地、国籍が分かれば、おおよその形はお出しできます。
まだ採用が決まっていない段階でも相談できますか
できます。採用前のほうが、支援体制と費用を含めた全体像を組み立てやすい面があります。
相談した結果、今の登録支援機関を継続することにしても構いませんか
構いません。比較材料をそろえるためのご相談としてご利用いただけます。
「うちの場合はどんな支援になりますか?」からご相談ください
フジ行政書士事務所は、行政書士事務所であり登録支援機関でもあります。
今の人数なら月額はいくらか、どこまで支援するのか、現在の委託先と比べたい、という段階でも構いません。
